フルーツトマト星のしずく
「原田トマト」代表
原田 弘子さん
フルーツトマト「星のしずく」
原田トマトさんではフルーツトマト「星のしずく」の生産をはじめ、トマトピューレ「ルナロッサ」、トマトゼリー「スタードロップ」、トマトコンポート「赤い宝石」など多くの阿波市特産品を造られています。
代表の原田弘子さんにお話を伺いました。
フルーツトマト星のしずくは「子どもや孫に安心安全なトマトを食べさせたい」という想いから誕生したトマトで、糖度もビタミンも普通のトマトの3倍近い栄養価があります。圃場のハウスでは有機肥料とハーブの防虫・防腐作用を応用した減農薬栽培を行い、クラシック音楽を流すなど独自の方法で栽培。2005年に商標登録を行い、現在では阿波市の特産認証品にも指定されています。
残留農薬、放射能の検査もしており、安全な生産品質管理体制の認定である「とくしま安2GAP農産物」の「優秀認定」（農林水産省GAPガイドライン準拠）を受けています。
トマトピューレ「ルナロッサ」
フルーツトマト「星のしずく」を贅沢に100％使用したピューレ。リコピンの多い皮ごとじっくり煮込み、旨味と甘みも濃縮したリッチなトマトピューレです。純粋自然塩(与那国島黒潮源流塩)のみで仕上げてありますので、冷製パスタのソースなどにお使いいただくと、星のしずくの風味をそのまま味わっていただけます。
【開発秘話】元々は販売目的ではなく、自宅でフルーツトマト星のしずくを使ったピューレを作り、大切なお客様にお配りしていたものです。
作り始めて数年目に農林水産省のコンクールへの出品依頼をいただき、書類の作成方法などを教えていただきながら出品したところ、平成21年度「農林水産省総合食料局長賞」をいただきました。安全でおいしい物を作っていることを高く評価いただけたことは大変嬉しかったです。
その後、県の方にお勧めいただき、東京の展示会に出展して家庭画報さんと出会い、ご紹介いただいたことで販路が開けました。当初は主婦の視点で作ったものが大きな扱いを受けたことに驚きましたが、多くの方からいただく「おいしい」のお声を励みに作り続けています。
生産当初は加工工場が空いた時にお借りして作っていましたが、ロットが大きすぎるため自宅で加工したいという想いがありました。家族の協力を得て敷地内に加工場を作り、リサイクルの調理設備から揃え始め、その後補助金を受けることができて設備を整えることができました。補助金ありきのお仕事ではなく、自分が好きなことを一生懸命実践することが大切だと思います。
トマトコンポート「赤い宝石」とトマトゼリー「スタードロップ」
トマトコンポート「赤い宝石」は、完熟の「星のしずく」を丸ごと使用したコンポート。
丁寧に湯引きした後、白ワインで仕立てた上品な味わいのシロップを十分にしみこませて仕上げたものです。
そのまま食べても、ヨーグルトに入れても美味しい。シロップは紅茶に入れてもお楽しみ頂けます。
トマトスイーツ「スタードロップ」は、トマトコンポートを数カ月熟成させ、甘味と旨味を凝縮した果肉を入れて作ったトマトゼリーです。
7年ほど前に大手百貨店との企画で高級ゼリーを作ったのが最初ですが、今ではすっかり定番商品となりました。
農家レストラン「星のしずく」
原田さんのご自宅で、毎月第1週の土曜・日曜だけ開店する幻のレストラン。貴重なフルーツトマトを使ったお料理が味わえるので、一年以上先まで予約が一杯の人気店です。
農家レストラン 星のしずくは2017年にオープン。農業の合間に営業するため1カ月に2日間しか開店できませんが、採れたてのフルーツトマトを使ったおいしい料理を味わっていただきたいという思いで、私（原田弘子さん）と家族とお友達でメニューを考え、調理からサービスまでを提供しています。良いトマトを作り、おいしい料理を作り、たくさんの方に喜んでいただけることは、我が家に良い空気が満ちていくようでとても幸せなことです。
【2019年2月のメニュー例 ￥2,500円＋消費税】
・フルーツトマト「星のしずく」とシーザーサラダ
・前菜５種盛り合わせ メルバ（クリームチーズ・干し柿）、カップトマト、太刀魚の天ぷら、シーフードグラタン、鯛のマリネ
・５種の白野菜（かぶ、カリフラワー、京ネギ、玉ねぎ、じゃがいも）のスープ
・メイン料理「鶏肉のトマト煮バジル風味」
・パン工房オークの無添加ロールパン
・デザート 星のしずくゼリーとカラメルのリンゴケーキとコーヒー
メニューは毎月変わります。たまに原価を超えそうになることもありますが、お越しいただける方に喜んでいただけるよう、一生懸命作っています。
将来の目標
将来の目標は、近所のお年寄りに喜ばれるお弁当屋さんを作ること。
お年寄りが毎日食事をつくるのは大変ですし、お惣菜を買うだけでは内容や偏ったり飽きてしまいます。毎日のごはんが楽しみになるようなお弁当を作り、皆さんに食べていただくのが夢です。
トマト栽培において、ハウスのビニール張り替え作業などは高齢になると難しいですが、お食事を作ることはずっと続けられます。小さなハウスで身近な人のためのトマトを作りながら、お弁当屋さんを実現出来たらいいなと思います。