GOTTSO 美〜®ナス

寺井 稔(てらい みのる)さん
寺井 稔(てらい みのる)さん
GOTTSO 美〜®ナス

「GOTTSO阿波」会長
寺井 稔さん

阿波市の若手農業者集団「GOTTSO阿波」

「GOTTO阿波」集合写真
「GOTTO阿波」集合写真

阿波市特産認証品の「GOTTSO美〜®ナス」(ごっつおびーなす)などを生産されている、阿波市の若手農業者集団「GOTTSO阿波」(ごっつおあわ)現会長の寺井様にお話を伺いました。

「GOTTSO阿波」は、阿波市観光協会の活動として2011年に開始。「農業で阿波市を元気にしたい」「ボランティアで地域貢献」という思いをもとに、当初2年間は東京などの都市部を中心に農産物の販促活動を行っていました。

2013年からは翡翠ナスの産地化に取り組み、「GOTTSO 美〜®ナス」の名称で新たな地域特産品として生産を開始しました。

GOTTSO 美〜®ナス

GOTTSO 美〜®ナスの特徴は、美しい翡翠色の表皮。アクが少なく、甘味が強く、加熱調理するととろけるような食感になることです。レストランでは夏の旬を彩る高級食材として使われており、阿波市内の産直市でも購入できます。

GOTTSO阿波の基本方針は「旬を追いかけたおいしい野菜」です。美〜ナスは7月1日解禁で10月末までの販売。今年も待っていたよと言ってもらえるような品質の良い物をお届けしています。ハウス栽培はしておらず、それ以外の時期は別の旬の野菜をおすすめしています。

美〜ナスの生産を始めてからはメンバー全体で品質向上や収量増加に取り組み、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの選手村に美ーナスを納品して世界中の人に食べてもらうことを目標とし、グローバルGAP、アジアGAP、徳島県の安2GAPなどの認証取得を進め、ブランド化と販路開拓を進めてきました。

より多くの方に味わっていただくために

当初は都市部への出荷を進めていたので地元で流通しない状況が続いていましたが、現在では産直市への出荷体制も整い、市内の産直市で購入できます。

美〜ナスのおいしさをより知っていただくため、市内小学校への美〜ナスの納品も行っています。食育の一環として年1〜2回学校給食に取り入れていただき、小学生全員に味わってもらったあと、レシピを持ち帰って家庭でも美〜ナスのお料理を作っていただけるようにしています。給食で美〜ナスのおいしさを知ったお子さんが、親御さんたちに「美〜ナスおいしかったよ!」とおすすめしてくれることで食卓に上る機会が増え、地元に愛される野菜として認知度を高めています。

GOTTSO阿波グループの活動

当初は「ボランティアで地域貢献」「GOTTSO 美〜®ナスの生産」が主な活動でしたが、今後はより幅広い生産と販路開拓を行い、所得向上と持続可能な活動を目指す動きが始まっています。
美〜ナスの販路を生かしながら自分たちの野菜もPRし、美〜ナス以外の新ブランドも立ち上げられるようにルート開拓や商談を進めています。
また、GAP取得のための情報共有も重要な資産です。都市部への販路開拓には認証が必須で、グローバルGAPを取得した人はそのノウハウをグループ内で共有・協力し合い、各自の圃場や作業場に合わせた方法で活かしています。

現在のGOTTSO阿波メンバーの使命は、これからの新しい人がGOTTSO阿波に入りたい!と思える集まりにすることです。グループに入れば美〜ナスが栽培・出荷でき、自分の野菜も流通できる独自のルートやノウハウを確立していきます。

寺井 稔さんの就農ヒストリー

農家で生まれ育ち、父はJAに勤めていたこともあり、子どものころから農業をやりたいという思いを持ち続けていました。
両親からの助言で一旦は外の世界を見ておいた方がいいと農業以外の道へ進み、県外の食品スーパーで10年間勤務。バイヤーから店長になり、惣菜や青果市場への仕入れ業務を経て、違う角度から農業を見る機会を得ました。

28歳で就農し、現在は農業10年目。市場・阿波町の農業後継者クラブに入り、先輩との繋がりからGOTTSO阿波の活動も始めました。
現在の圃場は3ha。年2回転させるので作付け面積は5ha。主力野菜は露地野菜のサニーレタスで、ブロッコリーも作っています。主な出荷先は徳島、大阪、東京などで、契約農家として飲食店さんへ直送もしています。

お店やシェフの方に畑まで視察に来ていただいたり、お客様の飲食店で美〜ナスのフルコースをいただいたりする機会もあり、大変刺激を受けます。農家・店舗・消費者全員が幸せになれるような良い野菜を作り、より良い未来を目指したいと思います。