ミニトマト

ミニトマト

松永佳之(まつながよしゆき)さん

環境制御技術の導入により、トマトの品質と収量をアップ

松永さんは環境制御技術を導入することによって、高品質なトマトを生産されている農家さんです。
ご実家の近くのハウスでは、小型コンピューターRaspberry Pi(ラズベリーパイ)を用いた制御装置によって、かん水・換気・暖房・炭酸ガス発生装置の制御を行うことで、品質の向上と収量アップを実現されています。

制御装置は有志の農家さんとともに参加した講習会にて自作したもので、情報を共有しながらシステムを構築されたそうです。
寒期の温度管理では、リコピンの生成等を考慮した夜温や果実の結露を防ぐための早朝加温、日出前には光合成に必要な温度を確保する点などに配慮しています。二酸化炭素量も制御するなど、細かな設定を行うことで高品質なトマトを生産されています。

就農について

現在は専業農家として活躍されている松永さんですが、就農は平成24年から。
前職は県外で建設コンサルタント会社に勤務していましたが、いずれは地元に帰りたいという想いがあり、実家の農業を継ぎました。
ご両親は洋蘭のハウス栽培を行っていますが、別のものにシフトしたほうがいいとの助言を受け、農協に相談した結果イチゴかトマトを勧められ、最終的にトマト農家としてスタートしました。洋蘭に使っていたハウスを一部活用できたため、若干初期投資を抑えることができました。

栽培品種は1種に絞り、普通のミニトマトのみ。
フルーツトマトは収量が通常栽培の4〜5分の1になり経営的に難しくなるので、ミニトマトの品質アップと収量アップに力を注いでいます。8月末に定植し、10月中旬ごろから7月中旬ごろまで収穫が続きます。
出荷形態はコンテナ出荷のみ。パック出荷にすると単価は上がりますが、労働時間が著しく増えてしまうため、コンテナ出荷で省力化を図っています。

就農して大変なこと、良かったこと

夏の一番暑い時期にトマトを撤去して次の作の準備を行います。ハウスのフィルム張り替えには費用がかかりますが、透過率が1%違うと収量も1%変わってくると言われているのである程度の年数で張り替えなければなりません。
パートさん・シルバーさんを含め、常時3人ぐらいで作業をしていますが、人材確保は常に悩みの種です。

良かったことは、サラリーマン時代にすごくストレスを感じていたわけではないにせよ、就農してからは気が楽になりました。
休みはほとんどないけれども、残業もないので夜は自由に過ごせます。
今後の目標としては、当面面積の拡大などは考えておらず、今の面積で環境制御を突き詰めて収量と所得を多くしていきたいと思います。

こんな食べ方で野菜の魅力再発見!おいしい「農家めし」

生でそのまま食べるのが一番だと思いますが、我が家の食べ方では、トマトチャンプルーがあります。
豆腐とトマトと肉等を炒め、溶き卵を回し入れた後、醤油と塩で味を付けて、最後に鰹節を振りかけると、トマトの酸味と香ばしい醤油の風味が合わさり大人向けのおいしい味に仕上がります。